アニメ映画『老人Z』
まだわたしが高校生だった約30年前、住んでいた市内にあったTSU〇AYAで、アニメ映画『アキラ』の原作・監督として世界的に著名な大友克洋氏が原作・脚本等をこなした『老人Z』というアニメ映画のビデオをレンタルしたことがあった。
内容は、高沢喜十郎という御老体の介護をめぐってドラマ展開されるコメディ風のアニメ映画で、高沢老人宅には、看護学校2回生の三橋晴子というボランティアが入っており、その学生はじめ、さまざまな人の熱意や思惑が複雑に絡み合ってストーリーが進んでいく...
ところで高沢老人は、「Z001号機」という介護ロボットのモニターとして選ばれてしまい、介護ロボットに乗せられたまま連れ去られてしまう。
高齢者問題に地道を上げる厚労省の官僚・寺田は、善良風な発想で「日本の高齢者問題解消」しか考えていない。高沢老人の介護ロボット搭乗に当初から反対していた三橋晴子の、「おじいちゃんの意思はどうなんですか?」に対しても、日本の高齢者問題解消を妨げる邪魔な学生ボランティアとしてしか映っておらず、押し退けてしまう。
最初は三橋らに向けられていた「厚労省をなめるなよ!」の口癖も、次第に問題は、寺田が三橋らを見下していたよりもっと複雑な問題を呈していたことが発覚。「Z001号機」は軍事利用のテスト機なのを介護ロボットと偽って厚労省へ提供されており、寺田の口癖「厚労省をなめるなよ!」は、ついに、軍事利用を知りつつ「Z001号機」を提供した商社社員、さらには、その提供元への怒りとなった。
最後に、厚労省の官僚・寺田が看護学生・三橋晴子らに謝るシーンがあったが、本人の意思の問題や、大義名分、何が根本で何が重要なのかなど、このアニメにはさまざまな問題や課題が潜んでおり、取り組む姿勢や態度、それらを揺るがせにするかのような周囲の事情や状況という脇役の登場、などなどなど…コメディタッチとはいえ、当時から考えさせられていたアニメ映画でした(完)。
